著作権とは、作者の権利を守ってくれるものだ
とばかり思っていました。
・・・たとえ作者が無名であっても。
ですから、文化庁の著作権登録制度について知ったときには、正直言ってびっくりしました。
日本の文化庁の著作権登録が、「公表・公刊されたものだけ」を対象としていると分ったからです。
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文化庁では、著作権の『登録の手引き』というパンフレットを出していますが、それにはこう書かれています。
「『この作品の著者は確かに私である』との証明に不安があるのなら、原稿や下書きなど作品の創作過程で作られるものを残しておけばいいのです。」
率直に言って、これは気休めにしか聞こえません。
それは、この言葉が、侵害があった際に訴訟や裁判を提起すること前提としていると思われるからです。
盗作者、盗用者(侵害者)も裁判ともなれば相当な陣容で臨むはずです。これにかかる膨大な時間、費用、労力を思えば、たとえ手元に「原稿や下書き」があっても、躊躇せざるを得ないのが現実ではないかと思います。
作品を公表・公刊する有力な手段を持たない作者(とりわけ無名の作者)にとって、圧倒的な力の差がある者(たとえば、企業)との交渉は、常に不安が付きまといます。万一、作品やアイディアを盗用・盗作されたとしても、泣き寝入りするしかないのではないか、という不安があったとしても不思議ではありません。
考えても見て下さい。
無名の作者と、作品を出版・公表している企業との間には、月とスッポン以上の力の差があるのです。
例えば、よく「新人賞」の触れ込みで作品を募集している会社がありますが、多くは受賞と引き換えに「著作権の放棄」を迫られることになっています。
賞金として100万円もらえれば、自費出版にかかる費用とほぼ同じです。
受賞と言う栄誉の陰で、このような金額で著作権の放棄を迫る企業の「権力」というのは相当なものだと思います。
何故なら、出版社にとっては、仮に作家が鳴かず飛ばずであったとしても、自費出版の無料キャンペーンだと思えば、100万円など大したコストではないでしょう(もちろん、審査その他にも費用はかかるでしょうが・・・)。ところが新人作者にとっての100万円とは、運良くデビュー作がヒットしたとしても、もし「一発屋」で終わりその後著作権の付いた作品が売れなければ何も残らない金額に等しいからです。
また、日本音楽著作権協会(JASRAC)という団体をご存じでしょうか。
よく、マンガ本などで登場人物がヒットソングなどを歌うと、引用された歌詞の末尾に注があって、欄外に「©日本音楽著作権協会」などと但し書きがあった気がします。子供の頃から、これは一体何のことだろうと思っていました。
この団体のホームページを見ると、Q&Aコーナーがあります。
そこには、「盗作防止のために楽曲を登録したいのですが?」という質問があります。
その質問の回答にもありますが、日本音楽著作権協会は著作権の登録機関ではありません。著作権の保護を任務とする団体でもないようです。
それはそれで構わないのですが、これまでに楽曲などを公表したことがないと資料請求さえできないのには驚いてしまいました。作曲、作詞しても商業的に公表する機会のない無名の作者には、完全に門戸を閉ざしているのです。
もちろん、文化庁には予算の制約があり、日本音楽著作権協会にも設立の趣旨があるでしょうから無い物ねだりをしても仕方がないでしょう。
しかし、それでは無名の作者は、どうやって自分の権利を守ったらいいのでしょうか。
このような日本の現状で、多くの方が途方に暮れたり、権利のことは取りあえず棚上げにして「見切り発車」しているのではないかと思います。
けれども、方法がないわけではありません。
有名・無名、プロ・アマチュアにかかわらず誰でも、作品が公表・公開・公刊されているか否かにかかわりなく、れっきとした「公的機関」に対して著作権の登録を行うことができる方法があるのです。
私たちはその方法を見出しました。
それは、アメリカ著作権局(著作権庁)への登録です。
米国著作権局では、未発表・未公開・未公刊作品の著作権登録の申請を受け付けています。単に受け付けるだけではなく、これを推奨しているとさえ思えます。
例えば、公表・公刊された作品と異なり、未発表・未公開・未公刊の著作物の場合は、1回分の登録料金で複数作品の登録ができるなど、有利な規定が設けられています。しかも、著作者の国籍、居住地、作品の使用言語などを問いません。
日本に住んでいる日本人が日本語で書いた著作物(作品)を、公開未公開にかかわりなく、アメリカで著作権登録することが可能だ、ということです。
次いでながら、作品は登録されるとともに、何とアメリカの議会図書館に収蔵されます(未発表作品やオリジナル1点もの、立体作品などの場合は、複写コピー、写真などの形で収蔵されます)。
さらに、登録された内容は、著作権侵害の裁判で推定証拠として採用されるのです。
詩1篇、写真1枚、イラスト1枚から登録できる気軽さに加えて、料金は登録申請1件あたり「数千円」と極めて低廉となっています。申請1件で複数作品の登録も可能です。
侵害者に対する厳しい罰則で知られる「知的財産権大国」アメリカでの著作権登録は、日本ではほとんど無視されているに等しい無名著作者の権利を守り、その作品の盗用・盗作を未然に防ぐために大きな力を発揮するでしょう。有名作者や法人の著作権については、言うまでもありません。
たとえ無名の作者であっても、作品を「真の知的財産」とし、そこから収益を得る権利の行使を妨げられるべきではないのです。
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このように無名著作者の権利を保護する手段として有効な米国著作権局への登録ですが、外国政府への手続きということで「面倒そうだな」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかも、インターネットで調べると、日本からの手続き代行に数十万円もの手数料をとっている業者もいます。それだけ見ると「いかにも専門的で、難しそう」との印象があるかも知れません。
ところが、申請手続きは実は簡単なのです。
アメリカに行く必要など、もちろんありません。
代行業者の手を借りずに自分で行うなら、登録申請料金以外の費用は、国際郵便料金、送金手数料などごくわずかですみます。
とはいえアメリカ政府への申請です。英語の申請書に、英語で書かなければなりません。
米国著作権局のお役人も「作品の言語は何でもいいが、申請書は英語で書いて欲しい」と言っています。
「そりゃ無理だ」と思われるでしょうか。
しかし、実際のところ、申請書のほとんどの項目は、選択肢にチェックを入れるだけなのです。
難しそうなところは、あってもごくわずかですかですから、そこだけ翻訳業者に頼んでもいいかも知れません。1万円か2万円で翻訳してくれるでしょう。それでも、代行業者に依頼するより遥かに安いはずです。
否、翻訳サービスさえ必要ないかも知れません。
マニュアルさえあれば、たとえ英語ができなくとも、自分で申請書を書き、手続きすることは十分にできるからです。
そこで当方では、誰もがアメリカ著作権局での著作権登録が可能となるように、登録申請のマニュアルを作成しました。
(7,000円+税、税込7,350円)
これさえあれば、従来、代行業者などが数十万円とか、場合によっては100万円などという法外な手数料をとって行っていた米国での著作権登録申請手続きを、わずか数千円で行うことができます。
その程度であれば、作品ができるたびに著作権登録したとしても知れたものです。どんどん申請して権利を登録されてはいかがでしょうか。
米国での著作権登録があれば、作者の権利の保護について知的財産大国アメリカの後ろ盾を得たにも等しいと言えます。それは、侵害の際の莫大なペナルティを想起させ、侵害しようとする者を確実にひるませるでしょう(米国法人等を設立して著作権を保有させれば、いっそう効果的となる可能性もあります)。
その意味で、作者の有名無名にかかわりなく、未公開・未公表・未公刊の作品をも受入れる米国の著作権登録は、知財大国アメリカの底力を示し、正に面目躍如たるものがあります。
企業に自作を売り込みに行く無名の個人とは、虎の穴に入るネズミのようなものです。
相手に比してあまりにも弱く小さな存在です。しかも前方は暗く、進むべき道もはっきりとは見えません。
けれども夢はあります。必要なのは一歩前に出る勇気と、その勇気の根拠となるべき「何か」なのです。
米国の著作権登録は、1片の「お墨付き」に過ぎませんが、それでも孤立無援の無名作者にとっては大きな自信につながるでしょう。失うものは何もありません。人生の貴重な時間を割いて創りあげた作品を、もう誰も奪うことはできません。
この情報が、その勇気を得るための一助としてお役に立つことを願っています。
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