投資信託について

では、このサイトの主なテーマである「投資信託」はどうでしょうか。

一般に、投資信託は、「少ない資金で分散投資できる」とか、「プロのファンド・マネジャーが運用してくれるから安心」などと言われています。

しかし、結論から言えば、投資信託の多くは(すべてではないとしても)、上記のような「儲け話」の亜種か変種であると言っても過言ではないでしょう。その商品の性質からいって、投資信託の多くが、「あなたが儲かるより前に」、または「あなたが儲からなくても」、あるいは「あなたが儲かるよりも確実に」、「あなた以外の誰かを儲けさせる」仕組みになっているからです。

 それが実際にどのような仕組みでそうなるかについての教科書的な解説は、「投資信託のしくみ」のような本が出ていますのでそれに譲るとして、ここでは、とくに「日本の投資信託」(外国投資信託も含めて、日本で販売されている投資信託)について、一般投資家の立場から気になる点をいくつか述べてみたいと思います。

 

ファンドが資産形成に果たす役割

 実は、投資信託(これに相当するものは、海外ではミューチュアル・ファンドとかユニット・トラストなどと呼ばれています)という金融商品は、資産形成の重要な手段として、欧米では相当に重視されています。

実際、海外で出版されている「お金持ちになる方法」といった内容の本を読むと、単なる貯蓄に対する「投資」の優位性、さらに投資の手段としてのミューチュアル・ファンドの有利性がしばしば強調されています。確かに、単なる貯蓄では、企業経済の成長によって蓄積される富の恩恵を受けるのに不十分ですし、個別の株式に投資することにはかなりのリスクを伴います。それは間違いのないことでしょう。そこで、ファンドを通して長期に投資することにより、成長の恩恵を享受しつつ、「分散投資」や「プロの運用」によってリスクが軽減できるのだと自信たっぷりに説かれています。

「投資信託による運用でお金持ちになれる」。証券会社のパンフレットでもない本がこの単純な原理を自信満々に説くのは、現にこの方法で富が形成されているという実績があるからです。実際、「隣の億万長者のアンケート」のようなものを見ると、ミューチュアル・ファンドが資産形成に果たす役割の大きさが窺い知られます。

 

「投資信託なんてこりごり」

 ところが、翻って、我が国で行なわれた「投資信託」についてのアンケートや体験談などを見てください。海外とは全く対照的に、これが現実に資産形成に役立ったなどという話には、まずお目にかかれないのです。

富裕層を対象とした投資信託の利用に関する調査報告などを調べてみると、ほとんどの人たちが「大損した」、「投資信託なんてこりごり。二度と買わない」などと答えています。これは、要するに、日本では、投資信託が現実に資産形成に役立ち、庶民の富裕化に貢献したなどという例は、これまでのところ皆無に等しいということを意味すると考えて、ほぼ間違いないでしょう。

 教科書的な説明では、日本の「投資信託」は、欧米の「ミューチュアル・ファンド」や「ユニット・トラスト」に対応する金融商品であり、「分散投資」や「プロの運用」などの基本は一致しています。ところが、一方は「顧客の資産形成に役立ち」、他方は「顧客を大損させる」。一体、この違いはどこから来るのでしょうか。日本のファンド・マネジャーがサラリーマン的だからということでしょうか。それとも、日本の株式市場が長期に低迷していたからでしょうか。必ずしもそうとも言い切れません。何故なら、日本で販売されている外国投資信託や、海外の株式・債券に投資するファンドなら良いのかと言えば、そうでもないからです。

 

手数料が稼げる「おいしい商品」

 根本的な理由は、日本の銀行・証券会社などの金融機関が、投資信託を「顧客から手数料を稼ぐための商品」として位置づけ、そのようなものとして設計し、販売していることにあると思われてなりません。

 実は、このような金融機関の態度を象徴的に示すエピソードがあります。

 私事で恐縮ですが、かなり昔のこと、まだ「投資信託」の仕組みについて何も知らなかった頃に、今は存在しないかつての大手証券の営業担当から、こんな電話がかかって来たことがありました。新規に設定された投資信託の勧誘です。

 「アメリカ人はすごいことを考えますねえ。投資に保険をかけるっていうんですから」

 これは、その当時流行していた(らしい)「ポートフォリオ・インシュアランス」という仕組みの説明のつもりだったのですが、これだけ聞けば、「確かにすごい。投資で損失が出ても、保険で補ってくれるのか」と思われても無理はないでしょう。ところが、後で知ったことですが、実際にはこれは単なる自動売買で、相場が上がれば買い、下がれば売るという機械的なプログラム取引にすぎず、何が「保険(インシュアランス)」だかさっぱり分からないという代物でした。しかも、「下がれば売る」というプログラムのおかげで、売りが売りを呼び相場は大崩れ。言うまでもなく損失が出て運用不能に陥り、そのまま償還されてしまったように記憶しています。

 

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